都会でも自然の多い家に住みたい!緑の多いお家づくりのポイント

季節ごとに木々が色づき、野花が咲き乱れ、田んぼや畑に囲まれているのが当たり前という自然環境に恵まれた田舎住まいの人にとっては、窓から見える緑など珍しくもなんともないでしょう。
しかし、都会に住む人にとって、家の中から木々の緑が見える暮らしというのは、とても贅沢なことですよね。

『借景』という言葉を聞いたことがありますか?
造園における技法の一つで、文字通り「景色を借りる」こと。遠くの山などの風景を庭園の背景として取り入れることをいいます。

住宅の建築においても、こうした『借景』の技法が使われることがありますが、都会ではまず借景できるような景色がありません。

では、都会で緑に囲まれた生活をするためには、どういった点に配慮すればよいのでしょうか。
自然と触れ合うことのできる家づくりのポイントについて、お話ししたいと思います。

緑の多い家のメリットって何?

確かに、都会の人にとって「自然に囲まれた家」「緑が見える家」は憧れです。
だけど、自然に囲まれていれば当然ながら虫が出ます。木や草花を植えれば定期的に手入れをしなければなりませんし、草むしりも必要です。
庭に芝生を張りたいけれど、面倒を見るのが大変だからと諦めてしまう人も少なくありません。

では、実際の所、緑の多い家にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

自然が人に与える心理効果

【緑色】にリラックス効果があるというのは有名な話です。
自然の緑には目の疲れを癒す効果があるとされ、昔から「目が疲れた時には遠くの山を見るといい」と言われてきました。
そして、それだけでなく緑色には緊張を和らげて気持ちを落ち着かせたり、心を癒す心理的な効果もあるのです。
黄緑などはビタミンカラーとも呼ばれ、「人を元気にさせる色」と言われています。

また、これはあまり知られていないかもしれませんが、【自然】には集中力を高める作用があるのです。
自然の風景を眺めたり、自然の中を歩いたりするだけでパフォーマンスが向上したり、ストレスを軽減して幸福度を高める効果があることが、オーストラリアやアメリカの大学の研究により明らかにされています。

『1/fゆらぎ』をご存知ですか?
1/fの「f」は周波数を表しており、スペクトル密度というパワーが周波数に反比例することを、『1/fゆらぎ』といいます。
もっと簡単に説明すると、規則的なリズムの中にわずかに含まれている不規則なゆらぎのこと。
この『1/fゆらぎ』には人の心を癒す力があると言われており、クラシック音楽やろうそくの炎、川のせせらぎや波の音、心臓の鼓動など、至る所に表れていると言われています。

自然が人の心を癒してくれるのは、この『1/fゆらぎ』に起因しているのかもしれませんね。

緑が住まいをより美しく見せる

もちろん、緑の多い家のメリットは心理的なことだけではありません。
住宅雑誌やインターネットに掲載されている住宅の事例写真一つとっても、緑のある家とない家とでは、見る側に与える印象がまるで違います。

シンボルツリー1本でも、それがあるだけで家の景観をとても美しく見せてくれますし、ただコンクリートや砂利が敷かれただけの敷地では、どんなに素敵な家が建っていても無機質で寂しい感じがします。
外から見れば建物の外観そのものが一つの風景になるわけですから、緑があるのとないのとで佇まいが違うのは考えてみれば当然のことですよね。

同様に、家の中から庭を眺めても、そこに緑があるかないかで同じ広さの庭でも見え方はまったく異なります。

マンション・戸建てを問わず、不動産物件の空間を魅力的に演出し、より早く・高く売るためのホームステージングという手法がありますが、このステージングにおいても花やグリーンといった植物は空間を彩るのに欠かせないエレメンツの一つ。
玄関を入ってすぐの飾り棚やダイニングテーブルの上に花やちょっとした観葉植物を飾るだけで、訪れた人に強く家の印象を残すことができるのだそうです。

そして、何よりも。花や緑がある生活は、日本ならではの四季の移ろいを感じることができますよね。
普段の暮らしに、こういった何気ない潤いがあるというのは素敵だと思いませんか?

ガーデニングに適したお庭の設計とは?

土地探しからのスタートであれば、自然の多い地域に候補を絞って土地を探すこともできるでしょう。
しかし、土地探しには「交通の便」や「予算」といった様々な制約がついてくるもので、「自然の多い場所」の優先順位はどうしても後回しになってしまうもの

借景に期待のできない都会の生活において緑のある暮らしをするなら、やはりガーデニングでしょうか。

プライベートコートのある生活

住宅の密集した都会において、家族のプライバシーを守りながらガーデニングを楽しむのであれば、なんと言ってもコートハウスが理想です。

コートハウスとは、外壁や塀で囲まれた中庭のある住宅のこと。古くは、間口の狭い京都の町家において採光や通風を確保するために取り入れられてきた手法です。
一口にコートハウスといっても、BBQができるような広い庭のある家から小さな坪庭を点在させたもの、建物の形状もコの字やロの字、L字など様々。

リビングで寛ぎながら、キッチンで家事をしながら中庭を眺めるのもいいですし、玄関に面して庭をレイアウトすることで自宅を訪れる人々にも潤いを感じてもらうことができますね。

意外と適している北向きの庭

自然と触れ合うための庭は、必ずしも南向きである必要はありません。
実は、北向きの庭はシェードガーデンとも呼ばれ、意外とガーデニングに適しているのです。

植物は太陽の方に向けて花をつけ、枝葉を伸ばします。
つまり南向きの庭は、木々も花もすべて外側を向いてしまい、室内からは植物の後ろ姿しか見えない場合もあるのです。これでは、せっかくの庭が台無しですよね。
その点、北向きの庭は室内からでも植物がとても美しく見えますし、花も葉も色褪せてしまう夏の盛りでも、日陰であればみずみずしい陰影を見せてくれます。

常緑樹ならシマトネリコ、落葉樹ならヒメシャラといった半日陰を好む高木はシンボルツリーに最適ですし、存在感のあるギボウシはシェードガーデンのアクセントに。
冬から春にかけてはクリスマスローズが可憐な花をつけ、梅雨時期にはアジサイが楚々とした彩りを添えるなど、いろいろ工夫してみると楽しいですよ。

僅かな隙間でもガーデニングは楽しめる

都会は土地代も高額ですから、庭つきの一戸建てというと、ものすごく贅沢に感じてしまう人もいるかもしれません。

だけど、花や緑を楽しむのに決して広い庭は必要ありません。
60cm四方の隙間があればシンボルツリーを植えることも可能ですし、敷地境界に沿って奥行き30cm程度の細長い花壇を作るだけでもガーデニングは十分楽しめます。
どうしても花壇のスペースが取れないというのであれば、玄関ポーチに鉢植えを置いてみてはいかがでしょう。
寄せ植えも、おしゃれなプランターや花台を使ってきちんと作り込めば、素敵なミニガーデンの出来上がり。

アプローチに沿ってタマリュウを植えるだけでも、玄関まわりのアクセントになりますよ。

素材にこだわる!自然の素材を生かした設計とは?

緑のある暮らしは、このように人の心に癒しと潤いを与えます。
しかし、“自然との共生”とは何も植物と触れ合うことだけを言うのではありません。
自然の緑が人の心に与えるのと同じ心理的効果を与えてくれる。それが、『自然素材』の活用です。

素材にこだわることで、都会の真ん中でも癒し効果のある家をつくることは十分に可能なのです。

人の心を和ませる自然素材

戦後日本の高度成長期において、大量生産が可能な新建材が一気に普及しました。
新建材とは、ビニールクロスや合板のフローリング、石膏ボードやサイディング等、一般的な住宅に使用されている工業製品としての建築材料のこと。
低コストでメンテナンスが容易という点も支持されたのでしょう。

しかし、近年、自然素材の家が見直されてきているようです。

化学物質を使用しないためシックハウス対策に有効なだけでなく、無垢材や和紙、漆喰・珪藻土といった素材の質感や手触りが改めて人々の人気を呼んでいるのです。

実は、人の心を癒す【1/fゆらぎ】は花や緑、木漏れ日といった自然の中だけでなく、自然素材の中にも存在していると言われています。
例えば、無垢板の木目。規則的な中に時折見られるズレや歪みに、人は心地よさを感じます。

築数十年の古民家に入ると妙に心が安らぐのは、そういう理由があったのですね。

経年変化で時が経つほど美しく

新建材はメンテナンス性の高さも普及した要因の一つと、先にお伝えしました。
しかし、どれだけメンテナンスをしたとしても、年数と共に新建材が醜く劣化していくことは避けようがありません。
新品の時が最も美しく、古くなると共に価値を失っていくのが工業製品なのです。

対して、年数と共に深みが増していくのが自然素材の特徴の一つ。
無垢フローリングはやがて艶のある飴色に変化し、外壁の杉板は深みのあるシルバーグレーに姿を変えます。
平面的なウッドデッキは腐食が早いので1〜2年毎の塗替えが必要ですが、外壁に張られた無垢板は雨に打たれても乾きが早いので、簡単に腐食することはありません。

こういった素材の変化を経年劣化と考えるか、もしくは年月を経てより美しくなったと思うか。
あなたの捉え方ひとつで、暮らし方の選択肢は大きく広がります。

好みの自宅づくりは設計士に相談するのがオススメ

美観や趣を重視した家というのは、見よう見まねで設計できるものではありません。
専門知識があって、経験を積んだプロの視点があってこそ生まれてくる風景や空間なのです。

坪庭一つ作るにしても、ただ好きな場所にレイアウトするだけでなくあらゆる方向からの見え方を考慮しなくてはなりません。
自然素材もただ使えばよいというものではなく、経年変化をきちんと理解しながら色合いや材質を選定しなくてはならないのです。

妥協することなく自分好みの家をつくりたいと考えるのであれば、まずは信頼できる設計士を見つけ、相談することから始めましょう。
あなたの求める景観、潤いのある暮らしを実現するために、きっと納得のいくアドバイスをもらえるはずですよ。

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